冬は灯油代だけで月3万円以上。
地元で家族経営の食堂を支えているShimayukiです。このシリーズでは、AIを使いながら食堂の経営改善に取り組んでいる様子をリアルにお届けしています。
vol.2でFL比率69%という衝撃的な数字を公開し、vol.3で黒字化戦略を立て、vol.4でGoogleマップの整備に着手しました。今回は春になってから実際に試した客数アップの施策3つと、その正直な結果をレポートします。
前提:冬と春では経営環境がまるで違う
vol.2でお伝えした通り、2月のFL比率は69%と高止まりしていました。原因の一つが冬季限定の燃料費(灯油代約3万円)。春になるとこれがほぼゼロになるため、固定費は一気に約17万円まで下がります。
つまり春夏は毎日1万円の売上があれば黒字になる計算。客単価が平均800〜1,000円とすると、1日10〜12人来てくれれば達成できる。ランチ食堂として非常に現実的なラインです。
でもそのためには、まず「来てもらう」仕組みが必要でした。お金をかけずに、今すぐできることから始める――その3つをご紹介します。
試したこと1:Googleマップの写真をスマホで更新した
vol.4で着手したGoogleビジネスプロフィールの整備、その続きです。春のメニューに合わせて料理写真を新しく追加しました。
写真を撮る係は私。撮影機材はスマホだけ。意識したのはたった一つ、自然光の下で撮ることです。窓際にお皿を置いて、余計なものを排除してシャッターを切るだけで、見違えるほど美しい写真になりました。
特にカツ煮定食の写真は「おいしそう」とすぐに反応があり、来店のきっかけになったと常連さんから教えてもらいました。「Googleで見て来ました」という新規のお客さんが来てくれた日は、正直うれしかったです。
写真撮影のポイント3つ
- 自然光を使う(フラッシュ不使用)
- 余計な背景を入れない(テーブルをきれいに拭いてから)
- 料理を真上か斜め45度から撮る
プロのカメラマンは不要。今日からできる改善です。
試したこと2:高利益メニューを黒板で目立たせた
食堂の入口に小さな黒板があります。以前は「本日のランチ」と書いてあるだけでしたが、「今日のおすすめ:カツ煮定食 1,200円」と具体的に書くようにしました。
なぜカツ煮定食かというと、原価率が約21%と低く、粗利が約950円と高いから。つまり1食売れるだけで食堂が稼げる、最も「貢献度の高いメニュー」です。売上を上げたいなら、売りたいものを前に出す。シンプルだけど、意外とできていない食堂が多い。
通りがかりのお客さんが「カツ煮か、久しぶりに食べたいな」と入ってくれた日が複数回ありました。黒板の文言を変えるだけで行動が変わる。看板の力を改めて実感しています。
黒板メニューで意識したこと
- メニュー名だけでなく価格も書く
- 「今日だけ」「本日限定」など限定感を出す
- 週に1〜2回内容を変えて通りがかりの人にも飽きさせない
試したこと3:常連さんにクチコミをお願いした
Googleクチコミが25件しかなかった食堂。「もっと増やしたい」と思っても、お客さんに「クチコミ書いてください」と言うのはなんとなく気が引けていました。
でも思い切って、長年通ってくれている常連さん数名に「Googleに感想を書いてもらえると助かるんだけど…」とお願いしてみました。みなさん快く引き受けてくれて、一週間で5件増加。
クチコミをお願いするとき、私が意識したのは「お願いする文脈を作ること」。いきなり「クチコミ書いて」ではなく、「最近新しいお客さんを増やしたくて、Googleの口コミが少なくて困っていて……」と背景を話してからお願いしました。人は理由があるとYesと言いやすくなる。これは接客でも、営業でも、人と人との関係では普遍的な真理だと思います。
クチコミ依頼でやってよかったこと
- 常連さんに文脈と背景を話してからお願いする
- QRコードをレジ横に置いてすぐ書けるようにする
- 書いてくれたらきちんとお礼を言う
春の結果:数字に変化は出たか?
3つの施策を始めてから約1か月。平日の客数が以前より安定してきた実感があります。特に弱かった水曜・金曜のランチ客が少し増えました。
「新規のお客さんがGoogleで見て来た」という声が月に2〜3件入るようになったのも変化のひとつ。Googleマップへの投資(お金ではなく時間の投資)は確実に効いています。
まだ「大成功!」と言える数字ではないけれど、やったことに対して現実が少しずつ動いているという手応えがある。経営改善は大きな一手ではなく、小さな積み重ねだと改めて実感しています。
まとめ:食堂改善に必要なのは大きな投資より小さな継続
今回試した3つのこと:
- Googleマップの写真をスマホで更新する
- 高利益メニューを黒板で目立たせる
- 常連さんにクチコミをお願いする
どれもお金はほとんどかかっていません。必要なのは少しの勇気と、少しの時間だけ。でも確実に「知ってもらう」「来てもらう」につながっています。
次回vol.6は、夏に向けたメニュー戦略についてお伝えする予定です。暑くなる季節に客足が落ちやすいランチ食堂が、どう乗り切るか――AIを使った分析結果も合わせてレポートします。
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