英語の発音がなかなか変わらない——その原因のほとんどは、「口の形」を意識していないことです。
元高校英語教師として、また英語発音の教材を作った立場から言います。日本語と英語では、口・舌・喉の使い方が根本的に違います。この違いを知るだけで、発音は確実に変わります。聞き返される回数が減り、「あなたの英語、わかりやすい」と言われる瞬間が増えていきます。
日本語と英語の「口」の違い
日本語はほとんどの音が、口をあまり大きく動かさなくても出せます。日本語の母音は「あいうえお」の5つだけで、口の形の変化が比較的少ない言語です。一方、英語は母音だけで15〜20種類あり、母音一つ一つで口の形が大きく変わります。
たとえば「cat(キャット)」の「ae」の音。日本語の「ア」より口を横に大きく開き、舌を低く平らにする。この形を作らないまま「ア」と発音すると、ネイティブには「cut(カット)」に聞こえてしまいます。たった1つの母音の形の違いが、全く別の単語に聞こえてしまう——それが発音の怖いところです。
特に意識したい3つの口の形
① 「ae(ア)」——横に大きく開く
cat・bad・man などに使う音。日本語の「ア」より口を横に引いて、顎を下げる。鏡で見ながら練習するのが一番効果的です。
この音が難しいのは、日本語にない筋肉の動きを要求するからです。最初は「顔が変な形になってる気がする」と感じるくらいで正解。オーバーに動かす練習から始めて、徐々に自然な動きに落ち着かせていきます。
② 「oo(ウー)」——唇を丸く前に突き出す
food・moon・blue などに使う音。日本語の「ウ」とは違い、唇を丸くすぼめて前に出す。口笛を吹く直前の形、と覚えると作りやすい。
日本語の「ウ」は唇をほとんど動かさないのに対して、英語の「oo」は唇を大きく前に突き出します。この動きが不自然に感じる方も多いですが、ネイティブの口元を動画でよく見ると、確かにこの形をしているのがわかります。
③ 「th(ス/ズ)」——舌を上の歯に当てる
the・think・this などに使う音。舌先を上の歯の裏側か、歯の先端に軽く当てて息を出す。日本語にない動きなので、最初はゆっくり意識的に作る練習が必要です。
「th」の音を「ス」や「ズ」で代用してしまう方が多いですが、これが「聞き取りにくい英語」の大きな原因になっています。舌を歯に当てる動作は最初は恥ずかしく感じますが、慣れると自然にできるようになります。
発音練習は「形を作る」から始める
音を聞いてマネしようとする前に、まず「口の形を作る練習」をする。形が正しければ、音は自然とついてきます。
おすすめの練習ステップは次の通りです。①鏡の前で口の形だけを作る ②息を出してみる(声なし) ③声を乗せてみる。この3ステップで練習すると、変化がはっきり感じられます。スマホの自撮りカメラで口元を録画して、ネイティブの動画と比較するのも効果的です。
なぜ「聞くだけ」では発音が変わらないのか
英語のリスニングをたくさんしても、発音が変わらない——そう悩む人は多いです。その理由は、耳でインプットした音を口で再現する「筋肉」が育っていないから。口や舌の動きは、スポーツと同じで、繰り返しの筋トレが必要です。
英語の発音を変えたければ、まず「形を覚えること」。形が正しければ、あとは反復練習で自動化できます。より体系的に学びたい方は、私が作った発音PDF教材もぜひ見てみてください。
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